個人・法人の税金比較
個人事業を法人化するメリットの1つとしてあげられる節税。その代表的なものは、役員報酬の給与所得控除を活用した節税方法です。ここでは、その節税の仕組み、効果の一例について検討します。
※あくまで概算でのシュミレーションです。ご参考程度に。
個人事業から法人化した場合の税金比較シュミレーション
シュミレーション 事業主A コンサルタント業
- 福岡市在住 年齢43歳
- 扶養家族2名(妻:36歳、子11歳)※平成23年度より子11歳は扶養控除なし
- 年間売上 2,000万円
- 仕入他経費 1,000万円
個人事業のときの事業主Aの税金
課税所得金額の計算
項目 | 金額 | |
---|---|---|
総収入(売上等) | 2,000万円 | |
仕入・経費 | 1,000万円 | |
青色申告特別控除前の所得 | 1,000万円 | |
青色申告特別控除 | 65万円 | |
所得金額 | 935万円 | |
所得控除額 | 社会保険料控除 | 109万円 |
配偶者・扶養控除 | 38万円 | |
基礎控除 | 38万円 | |
課税所得金額 | 750万円 | |
税金の計算 | 計算式 | 税額 |
所得税 | 750万円×23%-63.6万円 | 108万円 |
住民税(市県民税) | 792万円×10%+均等割り-税額控除 | 79万円 |
事業税 | (1000万円-290万円)×5% | 35万円 |
個人事業の場合の税金合計 | 222万円 |
事業主Aの税金は222万円
※保険料控除、住宅取得控除等はないものとして計算しています。
事業主Aが法人化している場合の税金
個人事業の場合の、青色申告特別控除前所得1,000万円をすべて役員報酬として事業主Aに支給すると仮定して計算。法人の税金+Aの役員報酬に対する税金が比較対象となります。
法人の税金の計算
項目 | 金額 | |
---|---|---|
総収入(売上等) | 2,000万円 | |
仕入・経費 | 1,000万円 | |
事業主Aの役員報酬 | (法人の経費となります) | 1,000万円 |
法人の所得金額 | 0円 | |
法人税の額 | 0円 | |
法人住民税の額 | 均等割りのみ | 7万円 |
法人の税金合計 | 7万円 |
事業主Aの役員報酬に対する税金
項目 | 金額 | |
---|---|---|
総収入(役員報酬) | 1,000万円 | |
給与所得控除 | 220万円 | |
所得金額 | 780万円 | |
所得控除額 | 社会保険料控除 | 113万円 |
配偶者・扶養控除 | 38万円 | |
基礎控除 | 38万円 | |
課税所得金額 | 591万円 | |
税金の計算 | 計算式 | 税額 |
所得税 | 591万円×20%-42.7万円 | 75万円 |
住民税(市県民税) | 568万円×10%+均等割り-税額控除 | 57万円 |
個人の税金合計 | 132万円 |
法人の税金(7万)+事業主A個人の税金合計(132万)=139万円
個人事業と法人の税金比較 まとめ
個人事業の場合の税金合計 | 222万円 |
---|---|
法人化した場合の税金合計 | 139万円 |
差額 | ▲83万円 |
法人化することで約83万円の節税になりました。
同様の計算方法で、所得金額別の税額を比較してみると
所得金額 | 500万円 | 1000万円 | 1500万円 |
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個人事業の場合の税金 | 52万円 | 222万円 | 435万円 |
法人化した場合の税金 | 51万円 | 139万円 | 285万円 |
法人化の節税額 | ▲ 1万円 | ▲83万円 | ▲150万円 |
以上のように、個人事業での所得が高いほど、節税メリットが大きくなります。
税金面では法人化した場合のほうが有利となりますが、その他のコストはどうでしょうか?
次に、社会保険料(健康保険、年金)の負担額について検討します。
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